整骨院は病院ではない
整骨院や接骨院に行って骨や関節、筋肉などの諸症状を診てもらう人はたくさんいます。
今や日本中に整骨院や整体院、全身マッサージをする店などがありますが、病院ではないそれらの場所で体の痛みや問題を解決してもらおうとする人は少なくありません。
整骨院や接骨院には「柔道整復師」という国家資格を持った施術者がいます。整骨院という名前からして、柔道整復師はいかにも医師のようなイメージがありますが、実はこれは医師免許ではありません(医師免許の有資格者であえて整骨院で働いている人は除く)。
柔道整復師は骨折や脱臼、打撲や捻挫などのケガを手術なしで治療する専門家です。
一般的には整復法(骨折箇所をや関節が外れた部分をもとに戻すための施術)、固定法(骨折や脱臼した部分を三角巾や木などで固定する療法)、後療法(運動や手技などによってダメージを受けた部位を回復させる療法)などの施術を行います。
「柔道整復師法第17条」にはこう規定されています。
医師の同意を得た場合のほか、脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない。ただし、応急手当をする場合は、この限りでない
ですから緊急の場合を除いて、骨折や脱臼の処置を医師の同意なしで行うことはできません。また基本的に柔道整復師の施術が保険の対象となるのは、急性のケガであることや医師の同意があること(骨折と脱臼の場合)などが条件となります。
慢性的な肩こりや腰痛などの施術には保険は適用されないので注意が必要です。
後遺症が認定されないこともある?
医師の中には接骨院や整骨院での施術に前向きではない人も珍しくありません。
実際、交通事故診療で接骨院などに通う事を認めていない医師や、「事故後に接骨院だけにかかっている場合に後遺障害診断書の作成を作らない場合がある」としている医師もいます。
後遺症が認定されるケースは以下の通りです。
患者は病院への通院を継続しながらも施術所で施術を並行して受けます。半年経っても改善がない場合は後遺障害診断書が医師から発行されます。
このように整骨院での施術に関するルールはいろいろと制限があります。国家資格を有する柔道整復師でも急性期の一部のケガは医師の同意なしでは行えないわけですから、民間資格の整体院ではそれらの施術を行えません。
ただし慢性的な肩こりや腰痛への施術、姿勢矯正などに関しては急性のケガではないので、保険は効きませんが、医師の同意がなくても施術できます。
ただし柔道整復師の資格がない人による特定の医業類似行為(健康に害を及ぼす恐れがある手技)については禁止されています。