高齢者への整体術は要注意
肩こりや腰痛などを解消するために整体に通う年配の方はたくさんいると思います。また整体ではなく「自宅で家族が肩もみをしたり腰のマッサージをしてくれる」という年配の方も少なくないでしょう。
加齢とともに体の不調が体のあちこちに出ると、毎日でも体のケアをしてほしいと感じるものです。
ですから年配の方と同居している家族は、自宅でできる整体術をいくらかマスターするのがおすすめです。
しかし高齢者に整体施術を行う場合は注意が必要です。高齢者は筋力や骨が衰えていて、ちょっとした衝撃でもケガをしてしまうリスクがあるからです。
もちろん「少し肩もみしたくらいで骨折する」といった極端なケースはまれでしょう。しかし若い人が少し力を入れるだけでも、高齢者の体にとっては大きなダメージになる恐れもあります。
実際整体施術を受けてケガをする人は少なくありません。ある60代男性は首を左右に急回転する施術を受けたところ脊髄を損傷しました。
国民生活センターには施術をめぐる被害の相談が1,000件以上寄せられています。すべてが高齢者に関連したものではありませんが、体の弱い高齢者が整体でリスクを抱える恐れがあるのは確かです。
高齢者にしてあげられる安全な整体術
安全性を十分に確保するために、高齢者に整体を行う場合は無理に力を入れることがないようにしましょう。出来るだけ簡単な運動で済ませるのがベストです。おすすめの整体術を一つだけご紹介します。
「よみがえり体操」
「よみがえり体操」は整体師の鄭信義さんが考案した簡単な体操です。「高齢者はあまり体を動かせない」という点を意識して考案されているため非常にシンプルです。
- 椅子に浅く座る
- 腰をすこし浮かせる
- 元の位置に戻る
- 同じ動作を繰り返す
負担が少なく誰でもできる体操ですが、スクワットに相当するほどの効果を期待できるようです。これによって足腰を鍛えることで、転倒防止効果や腰やひざの痛みを防止する効果を期待できます。
椅子さえあればいつでもどこでも実践できるので、高齢者の家族にもぜひ教えてあげてください。
高齢者家族の足腰の状況によっては、最初のうちは隣に立ってサポートしてあげると安心かもしれません。足腰が弱いなら、数回くらいでやめておくとより安全に行えます。